```

「農民美術」について

蚕都上田にある農民美術をご存じですか?

農民美術は約100年前に現在の長野県上田市から始まった農民による伝統工芸運動です。代表作として,こっぱ人形や鳩の砂糖壺,上田獅子(写真1)があります。
農民美術は画家の山本鼎(かなえ)さんがフランス留学中にロシアの農民が手がけた工芸品に感銘を受け,日本でも閑散期に農家の副業として美術を取り入れることを提唱し,農家の副業として始まったそうです。
作品は地域の風景や文化が反映しているため,地域の文化の再発見や現代に文化を継承する役割を果たしています。

現在も上田市には農民美術を継承している工房があります。
そのうちの1つであるクラサワ工房では伝統技術を守りながらも,現代的なデザインやアイディアを取り入れた作品が作られています(写真2,写真3)。
私のお気に入りの作品はそのクラサワ工房で作られた蚕と繭と桑(写真4)です。
かつて蚕糸業で栄えた上田市で生まれた伝統技術で作られた作品…と考えると,上田という場所を巡り巡って新たに蚕に命が吹き込まれたような不思議な縁を感じます。

農民美術は,上田市内の栄屋工芸店,アライ工芸やサントミューゼミュージアムショップでご覧いただけますので,上田市に訪れた際はぜひ訪れてください。
(下田 みさと)

写真1:下田が卒業時に繊維学部からいただいた上田獅子

写真1:下田が卒業時に繊維学部からいただいた上田獅子

写真2:山と石楠花

写真2:クラサワ工房の作品「山に石楠花」

写真3:こっぱ人形「季節のおんなのこ」と「こっぱねこ」

写真3:クラサワ工房の作品「季節のおんなのこ」と「こっぱねこ」

写真4:蚕と繭と桑

写真4:クラサワ工房でつくってもらった「蚕と繭と桑」

おすすめのデジタルアーカイブ